dreamfact0ryのブログ

映画を勉強中。物置として使う。由来はプリンスの没アルバムから。

脚本『折れない翼』

登場人物

三浦光作 ロック・スター。

 

宮本     三浦の元パートナー

社長          レコード会社社長
阿部   梶野のマネージャー。

 

1 ブラック・アウト

三浦(M)「その夜、僕の背中に突然羽が生えた。それから、おれはロック・スターになった」

2 会場・ステージ 
 
メインタイトル【折れない羽】
  
三浦は羽をはばたかせながら登場。観客は熱狂している。そして、スピーディーでエレクトロニックなロックミュージックにのって
パフォーマンスする。

3 同・廊下
 三浦はファンクラブのメンバーを横目に歩く。
その中に宮本を見つける。彼女の顔にはどこか失意の念があった。
それに気づく、三浦。いままで豪快に羽ばたいていた羽は委縮する。
 そのまま楽屋に入る。
 座って考え込む。


4 三浦の邸宅・寝室(夜)
 広い寝室に、三浦だけ。ベッドに座って、昔のアルバムを見ていた。羽の生えていない頃の自分と宮本が一緒に写っている。
 宮本は自分の羽を撫でる。
 立ち上がり、自分の栄光を飾ったショーケースに近づく。
 三浦は羽の生えた自分と社長が写る写真があった。三浦の表情には怒りふが見えた。
三浦「くそったれ!」
 ショーケースを蹴り破る。

 

5 同・リビング

三浦 「バンドは解散する」
阿部「どうして?」
三浦「新たなシーンに行くんだ」
阿部「そうか、それなら…」
三浦「あと、羽はもう取っちまう」
阿部「なんだって!」
三浦「本気だ」
阿部、困り顔。
阿部「おい、人気なのはお前じゃないぞ。その羽だ!」
三浦「知ってる」
阿部「じゃあ、どうして?」
三浦「前みたいに、自由にやりたい」
阿部「売り上げが落ちちまう」
三浦「知らねぇよ」
阿部「契約書に書いてあんだろ! いくらいくらまで儲けろって!」
三浦「儲けるよ」
エージェント、頭を抱える。
阿部「お終いだ…」
エージェント、とっさに携帯を取り出す。
阿部「社長を頼む、緊急だ。社長! 大変です…」
三浦、電話を取る。
三浦「俺だ、羽を取る」
社長「せっかく付けてやったのに。それに契約があるだろう」
三浦「羽の状態を維持しろなんてことは書いてない」
社長「羽を取ってしまってもこちらは一向に構わない。衣装につければいいんだ」
三浦「嫌だね」
社長が受話器を握りしめ、軋む音が聞こえる。
社長「なら、覚悟を決めるんだな」
三浦「こっちは、とっくに腹を括ってる」
電話が切られる。
エージェント、唖然とする。

 

6 会場・ステージ
自分のヒット・ナンバーである『ビーフ』を歌う。
三浦「みんな、最高だ! 今日のツアーは忘れない。なぜなら、今日。今日こそが俺とバンドの最終日だからだ」
会場、阿鼻叫喚。

 

7 宮本の家
宮本、テレビでその様子を見て、涙を流す。

8 会場
三浦「みんな! いままでありがとう…!」
突然、三浦の頭の上から照明機材が落ちてくる。
騒然とする会場。
轟音とともに、三浦は押しつぶされる。割れた破片が観客を傷つける。
観客の悲鳴。
落ちた機材の下から、血が溢れる。

9 社長室
社長は笑みを浮かべて、テレビを見ている。

 

10宮本の家
宮本は凍りついている。

 

11会場・ステージ
スタッフが駆けつける。
三浦は無傷だった。挟まれたのは彼の羽だけだった。
驚く、スタッフ。
三浦「見てないで、助けろ」
 近づくテレビカメラが三浦を映す。

 

12 宮本の家
 テレビから生きていた三浦が中継されている。

 

13 テレビ画面
三浦「おい、糞社長! おれを殺そうたってそうはいかねぇぞ!」
 三浦、中指を立てる。

 

14 宮本の家
宮本は笑みを浮かべる。

 

15 社長室
社長がその様子をみて、震える。少しためらってから、座っていた椅子を後ろの窓ガラスにぶつける。解放された窓から飛び降りる。

 

16 テレビ画面
三浦「宮本! 愛してる!」

 

17 宮本の家
宮本「知ってるよ」
                                              〈終わり〉