dreamfact0ryのブログ

映画を勉強中。物置として使う。由来はプリンスの没アルバムから。

感想 『ミッドナイト・クロス』

ブライアン・デ・パルマの『ミッドナイト・クロス』が文句のつけどころのない、傑作という言葉よりも歴史に刻まれるべく大いなる宝であることをここに記す。 まず、物語の構成が面白い。心臓の鼓動、荒い息。どうやら女子寮の庭にいるらしい、窓からはそれぞ…

感想 『ゲームの規則』

『ゲームの規則』。人生とは、愛とは遊戯に過ぎない。遊びには規則がある。守らなければ破綻を迎えてしまうから、主人であるロベールに資格を消され、退場させられる。機械仕掛けの玩具に執心するこの男こそが、最後までゲームを取り仕切っているのは偶然で…

感想 『ゴダールと女たち』

内容としては、ゴダールにとってのミューズたる女優たちの、経歴と作品への関わりをあっさりと纏めたものとなっている。 そんなに役に立つものではなくて、オタクと学徒の書く文章に嫌気のさした著者の、天才ではあれど「思いつきで映画を撮る、癇癪持ちで金…

感想 『天国と地獄』

天国において奴隷たるよりは、地獄の支配者たる方がどれほどよいことか!ーー失楽園(ミルトン) 煙を吐く煙突が並んだ工業都市・横浜。そこを見下ろすかのようにそびえる権藤の邸宅。『ブレードランナー』とも似たシークエンスから始まるこの『天国と地獄』は…

感想 『ラ・ジュテ』

『ラ・ジュテ』。連続したフリーズフレームが連続する写真動画で、ナレーションが付いている。一瞬だけ、動画として女性の目が開くところは斬新に思えた。 また、未来描写を過去の素材である第二次大戦時の打ち壊された凱旋門や廃墟をつかったり、暗い地下道…

感想 『非情の罠』

スタンリー・キューブリックの『非情の罠』は難しい。撮影日数も予算も約7万5000ドルという中、1人で撮影・監督・編集・編集を勤める情熱には心打たれる。だが、画面からそうした熱は伝わらない。人だろうが物だろうが、アウラがない、機械的に納められてい…

感想 『光る眼』

カーペンターの『光る眼』が傑作過ぎた。スティーブン・キングまがいなホラーで、作り込みの浅さが目立ちながらも話が矢のように進んでいく。冒頭あたりの人々が倒れていく場面は生唾ものの演出力。それからの展開も力技だが突っ込むが追いつかないスピード…

感想 『偉大なるアンバーソン家の人々』

抑制された技巧に驚く。これまでに見たウェルズの作品では誰が見てもわかるような研ぎすまされたタッチだったが、本作は違うのだ。さりげなく最初の方はローアングルでアンバーソン家の人々を写して強調したり、中世の貴族を描いた絵画的場面を挿入したり、…

感想 『深夜の銃弾 ミルドレットピアーズ』と『スパイダーマン』(2002)

フィルム・ノワールの中でも恐ろしい。女手一つで遮二無二頑張ってもああなってしまっては目も当てられない。周囲の男たちは金とセックスと目当てですり寄ってくるし、セクシャルハラスメントは当たり前の現実味溢れる描写に嫌悪感を覚えた。それに『黒い罠…

感想 『ロストチルドレン』

『ロストチルドレン』をようやく見てみる。ビザール+フリークス+スチーム・パンクな空気感だった『デリカテッセン』に、『ブレードランナー』的なエッセンスを混ぜた怪作そのものだ。話がしっちゃかめっちゃか散らしているのは、宮崎駿的にやりたいシーン…

感想 『黒い罠』の気持ち悪さ

見ているだけで吐き気がしてくる。本作がほとんどの場面ローアングル、それも超仰ぎ見るようにして撮影されているからもう本当に気分が悪くなってくる。マレーネ・ディートリッヒとジャネット・リーは違うのだが。大体の映画は見下ろしで撮られていて、ロー…

感想 『ブロンドの殺人者』と『3階の見知らぬ男』

『ブロンドの殺人者』のマーロウに、『ブレードランナー』のデッカードを見た。デビッド・ハウエルがフォードに似た顔つきをしているのもそうだが。頭はキレるがヘボなのだ。ちょうど半分のところで捕まって麻薬を打たれて酩酊状態になってしまう。その時の…

感想 メロドラマ3作品からくるズレ

『夜の人々』。ニコラス・レイのケチのつけどころのない傑作だ。いささか、ノワールというよりメロドラマチックだが。暗黒の照明設計と犯罪シーンを丸々飛ばす大胆なジャンプカットは鮮烈なイメージを受けた。車が走る場面でひたすら左というマイナスの方向…

感想 リメイク版『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』に呆れ返る

とにかく、金をかけ過ぎている。その割には安いセットに驚くし、脚本の粗しか目につかない。ミュージカル映画とはいえバランスが悪く、冒頭に危機を告げる歌、街の説明の歌を連続して流すからタチが悪い。小休止して5分後ぐらいにやるべきだ。それに肝心の歌…

感想 『突然、炎のごとく』と『はなればなれに』

「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」ーーチャールズ・チャップリン 『突然、炎のごとく』(1962)はスピーディに始まる。カット割りが速く、ぐいぐい物語に引き込まれる。また、ナレーション、ストップモーション、アイリ…

感想 『ベルギー奇想の系譜展』と『グレートウォーリアーズ 欲望の剣』

「ヒーローというのは目的がひとつしかない人物のことだーー『タクシー・ドライバー』を見てみればいい」ーージョン・カーペンター もうとっくの昔に終わってしまったが。ボッシュやブリューゲルの愉快ながらも残虐な地獄絵図が並んだ魅惑の展覧会。中でもフ…

感想 『フランス映画史の誘惑』と『獅子座』

わかりやすい。小難しい語彙やレトリックが排されていながらも詳しく、優しい文章で紡がれた歴史書だった。リュミエールやメリエス(散々習った)、アヴァンギャルドと印象派、戦中の動向、詩的レアリズム、ヌーヴェル・ヴァーグからBBCまでの軌跡を辿ることが…

感想 『ロープ』と『見知らぬ乗客』

長回し風に撮られた1時間半。と聞くと、「なんだよこれ舞台劇でいいじゃん」と考えてしまう。が、この『ロープ』は多少欠点はあるものの退屈さを感じさせない。ジェームズ・スチュワートが推理する時、カメラが流れる。手元にある『ヒッチコック トリュフォ…

感想 『シャドー』の狂おしさ

私は"建築家だ"ーーダリオ・アルジェント 暖炉の前で黒革の手袋が本を開く。題は『TENEBRE (暗闇)』。「不安も恐怖も消え、楽になった。屈辱感もまた一掃された。その手段こそ、殺人であった。それから本は無造作に火にくべられ、テーマ曲が流れる。 ダリオ…

感想 『ピンクフラミンゴ』は最高だ

「ぼくにとっては、悪趣味がエンターティメントだ。だけど忘れちゃならない。いい悪趣味と悪い悪趣味は別物なのだ。悪趣味を理解できるのは、いい趣味の持ち主だけだ」ーージョン・ウォーターズ 『ピンクフラミンゴ』はお子様のいない各世帯に配布したいくら…

メモ 10月見た映画

ウィークエンド × レイジング・ブル × スカーレット・ストリート ◯ 一人息子 ◯ 39夜 △ キャット・ピープル(リメイク前) × ギルダ △ はなればなれに △ ピンクフラミンゴ ◎ いぬ ◯ マルホランドドライブ ◯ 華氏451 ◯ ダークスター ◯ ピアニストを撃て △ シャド…

H・R・ギーガーの孕んでいるもの

終わらないショーにまた戻ってくださいましてありがてぇです。さあ、みなさん、よく来なさった、あっしの喜びでさぁ、さあさあ入ってくだせぇ、入ってくだせぇーーELP 平面であり立体的、無機物であり有機物、左右対象であり非対称、それに交わる死と性。ギ…

感想 『第3逃亡者』

イングリット・バーグマン演じるヒロインの描写。なんと巧みか。主人公を殺人犯と疑ぐる周囲の人々とは違って、ちょっとした出会いから唯一の味方となる(主人公は助けられっぱなしだ)。だが、そこまでの過程がしっかりしているから、一種シンデレラ・ストー…

『ブルーベルベット』の快と、フランシス・ベーコンとエドワード・ホッパーへの興味

「 三島由紀夫の小説の中で「庭を歩いていると滝がうまく流れていない事に気付く。よく見ると滝の上に犬の死体が引っ掛かっていた」というのが有る。これは「世の中」について叙述した最も素晴らしい物だと思う。僕の作品はそういった感覚に負う部分が多い。…

考察 『フィルム・ノワール』

1、フィルム・ノワールと表現主義 フィルム・ノワールとはアメリカ映画の一連の作品群を指した言葉である。その様式は①スタジオ撮影 ②表現主義的空間設計 ③戯画化された登場人物 ④ファム・ファタルといった要素から成りたっている。これらの特徴は表現主義映…

感想 『めまい』『ザ・ショック』『サスペリア テルザ』

この3本を借りて見てみたら、毛色のそっくりな映画ばかりで驚いた。 まずは『サスペリア デルザ 最後の魔女』から。ダリオ・アルジェントの大ファンだ。場面場面の人物から構図、色づかいや美術まで美しい。それに、五感を刺激するような描写が加わって見る…

感想 『北北西に進路をとれ』

ケイリー・グランドというのは名采配だ。ラッシュ・モア山をまさか登るとは思わない(『リッチー・リッチ』についてはコメントを避ける)。よくよく考えると荒唐無稽なはずである。それでも気にしない主義だが、全く違和感を感じなかった。『ET』にそっくりな…

感想 『三つ数えろ』

ハワード・ホークスの映画は合わないと思っていたが、これは文句のつけどころがない。 粗筋が気にならないというか、忘れてしまうくらい素晴らしいシーンの連続だった。場面転換が多いし、連続活劇のように楽しめる。ボギーやバッコールの他にも無数の登場人…

俺は見た! 『9月』

アメリカの夜 △ 失われた週 ◯ エイリアン3(再見) × 大いなる ◯ キッスで殺 ◎ 軽蔑 ◯ 孤独な場所で △ コンドル △ サイコ(再見) △ ショック △ サスペリア(再見) ◎ サスペリア 最後の魔女 △ シェルブールの雨 △ 第3逃 ◎ 第3の男 ◯ 第17捕虜 ◯ 血のバケツ ◯ 罪の…

感想 『大いなる幻影』

ジャンル映画や各国の映画を食い入るようにみるんだ。成長や研究のためだ に、メモをしながら。理論的な結論が出たらメモは無くなって、新しい知識が頭を埋めてるーークェンティン・タランティーノ 映画を見て、いちいちブログやらなんやらに書くのは愚にも…